cdc communication design center

毎回、世界で活躍する日本のクリエイターに「デザインの未来」を伺うコンテンツ「FUTURE of DESIGN」では、あの妹島和世氏にインタビューを実施しました。建築家としてデューした当時から、思考や好みの違った様々な人たちが、自由な関係性を築くことができる「開かれた建築」にこだわり、公園のような温かい生活空間を生み出し続ける妹島氏。世界の建築と日本の建築、双方の利点を活かした設計と建築が主流になるであろう「未来」について語ってくださいました。

CDJ NEWS 02

りんごを通じて、デザインの奥深さが学べる教育メソッド「APPLE」の
すべてが体験できる「りんごデザイン研究所」が大阪芸大にオープン。
ビジネス成功のカギとなる洞察力、発想力、表現力獲得に繋げよう!

2018年4月24日、大阪芸術大学の図書館3階に「りんごデザイン研究所」が設立されました。この施設は、第18回亀倉雄策賞を受賞した、グラフィックデザイナー三木健氏が組み立てた教育メソッド「APPLE」の常設展示をメインとしたものです。
「APPLE」は、りんごという誰もが知っているテーマを題材に、今やビジネス成功のにも欠かせない「洞察力」「発想力」「表現力」、さらには自ら積極的に「学ぶ力」を育むことを目的とした、全く新しいメソッド。すでにブランディングに取り入れている大手企業も増えています。「りんごデザイン研究所」内は、知覚と認識の違いを踏まえつつ、五感で感じ取ることができるりんご観察や、りんごの豊富な色によって感受性を刺激する、ユニークな展示が並び、デザインに対する考え方や作り方、伝え方、学び方すべてが体験できる空間になっています。また「デザインとは何か?」という素朴な質問に答える一方で、「デザイン・シンキングをどのように活用するのか?」といった、オープン・エデュケーションを実践するシンクタンクとしての役目を担っている点も特長的です。
大学開校中は一般の方も自由に観賞できますので、次世代ビジネス成功のカギとなる教育メソッド「APPLE」を、是非一度体験してみてください。

COMMUNICATION NOW — episode 1

今や世界中で実用化が進む「ディープランニング」。
人間の的確な「問いかけ」こそが、AI活用の第一歩。

1950〜60年当時は推論の領域でしかなかったAI(人工知能)は、いくつかの段階を経て急速に進化を続け、今や「ディープラーニング=深層学習」によって、さらなる発展を遂げようとしています。

ディープラーニングは、人間が行うタスクをコンピューター自身に学習させる仕組み「機械学習」の中でも大きく進化した、要素技術のひとつです。最近では、車の自動運転や音声認識、機械翻訳などの自然言語処理でも重要な役割を果たし、全世界の様々な分野で実用化が進んでいます。2016年にAIの囲碁プログラム「AlphaGo」が、世界トップレベルの実力を持つ韓国のプロ棋士に勝利したニュースを記憶されている方も多いのではないでしょうか。

技術のベースは、人間の神経細胞の仕組みを模した「ニューラルネットワーク」。多層構造のニューラルネットワークに大量の画像、テキスト、音声データなどを入力することで、データに含まれる特徴を各層で自動的に学習し、さらには「分析の際に注目すべきポイント=特徴量」をAIに自己判断させることができます。人間からの指示を待たずにAIを進化させていくディープラーニングは、言葉で特徴を定義するのが難しい場合に効果を発揮し、例えば言語表現が難しい消費者の服や靴の好みでも、AIが消費者がどの商品をクリックしたかという情報を元に、好みに合いそうな商品を絞り込んで提案してくれます。

この特有の構造と学習手法により極めて高い精度を誇る一方、時には人間の認識精度を超えることもあるため「ディープラーニングはブラックボックスだ」と批判する人が多いのもまた事実。これまでの機械学習は、人間がある程度学習の方向性をコントロールできていましたが、ディープラーニングは自ら思わぬ方向に進化し、学習が進む可能性があるからです。

とはいえ、いわゆる「人間のように考えることができるコンピューター」が実現した、というわけではありません。今現在AIにない「洞察力」を持った私たち人間側が、「何のデータを」「どのような形で」「どれだけの量読み込ませるか」を正しく判断し、ビジネスや社会に役立つ「問いかけ」を行うことが、AI活用の第一歩となります。これまで私たち人類は、ひとつの「Question」に対して、いかにスピーディかつ的確に「Answer」を導き出すかを重要視してきました。しかし「第3次AI時代」と言われるこれからは、何よりも「Question」の内容が大切になります。例えば「人はなぜ花を美しいと感じるのか」など、これまで答えの出なかったような問いかけをすることこそが、ディープラーニングのパフォーマンスを高め、新たな発想やアイデアを生み出し、様々な研究やビジネスのために効果を発揮することになるのです。(つづく)